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国際的な外部機関との継続的な関係構築

国立 一橋大学大学院 国際・公共政策研究部・教育部国際・公共政策専攻

4 学生の受け入れ

国際的な外部機関との継続的な関係構築

一橋大学大学院 国際・公共政策研究部・教育部国際・公共政策専攻
種別 公共政策系専門職大学院認証評価
年度 2023年度
区分 国立
規模(収容定員) ~4,000人
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取組み事例

アジア公共政策プログラムにおいて、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)等の国際機関、国際協力機構(JICA)等との継続的な関係構築に尽力している点は、アジア各国の経済官庁、中央銀行等から優秀な学生を獲得することに結びついており、評価できる(評価の視点4-7)。

ここがポイント

  • 留学生の募集をアジア圏に絞ることで、受験生に向けて独自性のある方針を打ち出している。
  • 有力な奨学金を持つ外部機関との連携を密にとり続けることで、継続的に優秀な学生を獲得することにつながっている。

大学からのコメント

 アジア公共政策プログラム(APPP)では、アジア各国の経済官庁・中央銀行等の若手中堅スタッフを中心に、日本で学びたいという希望を持つ留学生を受け入れてきました。APPPが受け入れている留学生はほぼ全員が、IMF、ADB、JICA、国費など、競争率の高い奨学金を受給しており、奨学金提供機関の下で行われる書類選考、学力試験(数学と英語の小論文)、面接試験等の(APPPも関与する)スクリーニングを経て選抜されています。
 奨学金提供機関とは、スクリーニングから、学生が入学し卒業するまで、密接にコミュニケーションをとり、継続的な関係構築に努めてきました。さらにAPPPの教員は、国際協力機構(JICA)と連携して東南アジアの中央銀行への技術支援に参画したり、アジア開発銀行(ADB)などの国際機関と連携して政策形成に積極的に関与したりしています。その経験を通して、例えば東南アジアの中央銀行が抱える問題を教員が知ることになり、その知識をAPPPの講義にも役立てています。奨学金提供機関の期待に応えるような質の高い教育を続けることで、信頼を獲得し、長期にわたる支援を継続的に受けてきました。
 学生たちに政策実務に基づく教育を効果的に行うためには、教員側も、経済官庁・中央銀行や国際機関等での経験を有し、実務に関する一定以上の理解を有することが重要です。また、可能であれば管理職まで経験し、次のステップを狙う学生たちに、より高い視点からアドバイスができる資質を有することが望まれます。さらに、博士課程への進学を希望する学生もいますので、教員も修士号を上回る博士号(Ph.D)の学位の取得者が望ましいと考えています。修士論文指導においても、英文査読付きジャーナルでの論文掲載等のアカデミックな活動経験が生きると考えるからです。
 これまでのところ、APPPでは、上記の実務経験を有し、博士号を持ち、かつ論文掲載の実績のある実務家教員の採用が実現しています。しかし、こうした条件をすべて満たす日本人が多くない現実があり、新規採用にあたっては、少なからぬ困難に直面してきました。課題もありますが、今後とも海外の奨学金提供機関との良好な関係を維持しながら、優秀な学生を獲得・育成していくことに努めたいと考えています。