基準7:学生支援
「ピア・メンター」等の学生同士による修学支援の充実
取組み事例
日吉・理工学・湘南藤沢のメディアセンター(図書館)では、先輩学生による「ピア・メンター」を設けて、レポート・ライティングやプレゼンテーションの相談、物理・数学等の学習相談、研究及び論文に関する相談など、各キャンパス・学部の専門性や特色を踏まえ、学生同士による修学支援を実施している。また、「教養研究センター」において、授業科目「アカデミック・スキルズ」と連動した学生による参考書を刊行するなど、教職員による学習相談に加えて、学生同士の修学支援を充実させ、学生の主体的な学びを高めていることは評価できる。
ここがポイント
- メディアセンターにおいて、上級生の学生で論文の書き方等を学んだ学生が「ピア・メンター」となり、レポート・ライティングやプレゼンテーションの相談、物理・数学等の学習相談、研究及び論文に関する相談など、学生同士による修学支援を実施している。
- 「教養研究センター」において、授業科目「アカデミック・スキルズ」と学生の活動を連動させ、学生相談員を務めた学生による授業の参考書を刊行している。
大学からのコメント
スキルの高い上級生が学んだ知識を下級生に還元し学び合う「ピア・メンター」の活動は、慶應義塾の理念である「半学半教」の実践にあたり、メディアセンターでの活動はそれぞれのキャンパスの特性に合わせて展開されている。コロナ禍以降はオンライン相談も人気で、ブログ、Twitter、Instagramなどを活用したメンターからの積極的な情報発信は、下級生が抱える課題とメンターのマッチングにも役立っている。
1・2年生が学ぶ日吉キャンパスでは、少人数ゼミ形式の授業「アカデミック・ スキルズ」でライティングやプレゼンテーション等のスキルを身に着けた学生のメンターが、学習相談という名称で、レポートの書き方等の相談に乗っている。メンターが執筆した授業の参考書『学生による学生のためのダメレポート脱出法』(慶應義塾大学出版会、2014年)は現在でも大いに活用されている。
理工学メディアセンターでは、メンターとなる修士課程の大学院生が、例えば「数学」というだけでなく「関数解析」など細かな得意分野を公開して、相談者がメンターを選択しやすい工夫をしている。また具体的な研究や実験の内容、研究以外での関心事なども発信することで、修学支援を超えた研究室の選択や大学院生としての生活をイメージする助けとなるような活動にも力を入れている。試験期には日吉キャンパスに出張し、学部を問わず1・2年生にサポートを提供しているのも特徴である。湘南藤沢メディアセンターでは、博士課程の院生がメンターを務め、8名中3名が留学生(2022年7月現在)であり英語で対応できる強みがある。